MAJOR

満田拓也作の名作野球漫画「MAJOR」は、まさに主人公である本田(後に茂野)五郎の半生を描いた作品です。

幼稚園の頃から、MAJORを引退して日本球界に復帰するまでを描く、足掛け30年以上の月日が作中では流れています。ここまで長い時間をかける作品だとは誰が予想したことでしょうか。

さて、一つ個人的に思うのが、この作品は何を描いているか、ということです。野球漫画なんだから野球の試合を、練習を描いているんじゃないか、と思われるかもしれませんが、個人的にはそうではないと思っています。

むしろ、野球自体を描いているというよりは、野球を通して描かれる五郎の生涯という点が、メインになっているのだと思っています。あくまで個人的に思うことですけれど。

というか、野球の試合のシーンとかを見ていても、ひたすらにワンパターンな部分が多く、あ、どうせこの試合五郎勝てないでしょ、とある程度予想が付いてしまうので、野球のシーン自体の楽しさというのは、他の野球漫画と比べると薄い印象を覚えます。だから、自分は野球を描きたくてこの漫画を描いていると言うよりは、野球をしている五郎を描きたくてこの漫画を描いているんじゃないかな、と思うようになりました。

この五郎もとことん前を突っ走って行くキャラクターなので、ある意味では野球漫画の典型的な主人公とも言えますけれど。ただ、その五郎と家族というところまでが広く描かれているのが、これまでの主人公とは少し違うところでした。

むしろ、始めは家族のお話がメインでした。3歳で母を失い、また父を亡くし、父の婚約者で幼稚園の先生の義母と暮らすようになって、彼女も五郎の父の親友と再婚することになる、となんて複雑な家庭環境をしているんだと、リアルで居たら絶対にグレるでしょ、と思わせるようなとんでもない家庭環境で育ちながらも、それでも彼らの愛情を一身に受けつつ、野球に取り組む彼が、大人となって行って新たな家族を作る、むしろこの家族の流れがMAJORの本質なのかもしれませんね。

続編である「MAJOR2nd」も現在連載中ですが、こちらはどちらかと言えば、野球がメインです。さて、一体どんな風にMAJORで主役を張った五郎が登場するのか、それを楽しみにしています。

もちろん、2ndはMAJORを見ておいた方が絶対に楽しめるので、読んでおいた方がいいですよ。